mackarelの概要から実践的な使い方までを解説します。
Mackerelとは?概要・機能・ユースケース解説
Mackerelの機能
ここでは Mackerelの概要について説明します。
クラウド環境の監視: Mackerelは、AWS、GCP、Azureなどの人気クラウドプロバイダーをサポートし、クラウド環境の監視を手軽で効果的に実行できます。
エージェントベースの監視: Mackerelはエージェントベースの監視システムで、サーバーやアプリケーションにエージェントをインストールすることでリアルタイム監視が実現します。
ログ収集・監視: アプリケーションログやシステムログの収集、監視、分析が可能なMackerelのログ収集・監視機能があります。
サーバーレスアプリケーションの監視: MackerelはAWS LambdaやGoogle Cloud Functionsなどのサーバーレスアーキテクチャ向けのサーバーレスアプリケーション監視に対応しています。
ダッシュボード作成: 直感的なUIとダッシュボード機能を備えたMackerelでは、リアルタイムの監視データを簡単に可視化・グラフ化できます。
アラート通知: Mackerelのアラート通知機能では、監視データが異常値を示したり、設定した閾値を超えた場合など、条件に応じて通知が行われます。
Mackerelのユースケース
これから、Mackerelのユースケースについてご紹介します。
- Mackerelの得意分野
Mackerelはシンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。Mackerelは使いやすいウェブインターフェースを提供し、ダッシュボードやアラート設定が手軽に行えます。
また、クラウドベースのサービスであるため、導入や管理が簡単です。さらに、サービスが自動的にスケールするので、リソースの調整が不要です。 さらに、豊富なプラグインと統合が用意されており、さまざまなシステムやサービスとの連携が容易になります。
- Mackerelの苦手分野
インターネット接続が必要であるため、オフライン環境での使用に制約があります。 Mackerelはクラウドサービスに接続するため、インターネット接続が必須です。 また、クラウドベースのサービスであることから、利用料金が発生します。 ただし、Mackerelエージェントの設定ファイルを編集し、メトリクスの送信先をローカルファイルに変更することで、クラウドサービスへの通信を行わず、収集したメトリクスをローカルに保存できます。
ローカルに保存されたメトリクスを解析するためのツールやスクリプトを用意し、 設定した閾値を超えた場合にアラートを出すように構成することも可能です。 これらを踏まえ、Mackerelの利点と制約を理解した上で、 ご自身の状況に合った監視ソフトをお選びください。
AWSとMackerelの準備
AWSアカウント作成
https://aws.amazon.com/jp/register-flow/ まずはじめに、AWSアカウントを作成します。 AWSの公式ウェブサイトにアクセスし、「無料で始める」または「アカウントを作成」をクリックしてください。 次に、必要な情報(氏名、メールアドレス、パスワード、AWSアカウント名)を入力し、 「続行」をクリックします。 その後、連絡先情報やお支払い情報の入力が求められます。 全て入力が完了したら、アカウントが作成されます。
AWS IAMユーザ作成
AWS Identity and Access Management (IAM)を使用して、個別のユーザーを作成します。 これにより、ユーザーごとに適切な権限を与えることができます。
まず、AWS管理コンソールにログインし、「サービス」から「IAM」を選択します。
次に、「ユーザー」をクリックし、「ユーザーを追加」を選択します。
ユーザー名とアクセスタイプ(プログラムによるアクセス、AWSマネジメントコンソールによるアクセス)を指定し、「次のステップ」をクリックします。
ユーザーに適切な権限を与えるために、IAMポリシーをアタッチし、「ユーザーの作成」をクリックして完了します。
AWSマネジメントコンソールにログインし、「サービス」から「EC2」を選択します。
次に、「インスタンスの作成」をクリックし、希望のインスタンスタイプを選択します。
インスタンスの詳細設定やストレージ、タグの設定を行います。
「セキュリティグループの設定」で適切なポートを開放します。
最後に、「起動」をクリックし、キーペアを選択または新規作成してインスタンスを起動します。
Mackerelアカウント作成
Mackerel公式ウェブサイトへアクセス: まず、Mackerelの公式ウェブサイト(https://mackerel.io/)にアクセスしてください。
アカウント登録画面へ進む: ウェブサイトのトップページにある「サインアップ」ボタンをクリックします。
メールアドレスを入力: アカウント登録画面で、メールアドレスを入力し、「登録」ボタンをクリックしてください。
これにより、指定されたメールアドレス宛にアカウント登録用のメールが送信されます。
アカウント登録用メールの確認: メールアドレス宛に届いたメールを開き、「Mackerelへようこそ!」という件名のメールを探してください。 メール内にある「アカウント登録を完了する」リンクをクリックします。
パスワードの設定: 「アカウント登録を完了する」リンクをクリックすると、パスワード設定画面が開きます。適切なパスワードを入力し、もう一度パスワードを確認のために入力して、「登録」ボタンをクリックします。
組織の作成: アカウントが作成されたら、Mackerelのダッシュボードにアクセスし、 「組織を作成」ボタンをクリックします。
組織名を入力し、「作成」ボタンをクリックして組織を作成してください。 これにより、チームメンバーやプロジェクトを管理することができます。 以上でMackerelアカウントの作成が完了します。
アカウントが作成されたら、Mackerelエージェントをインストールしてモニタリングを開始したり、ダッシュボードをカスタマイズしたり、 アラート設定を行ったりすることができます。
Mackerelエージェントのインストールと設定
エージェントのインストール
続いてmackarelエージェントをインストールします。 インストール方法は、対象となるOSによって異なります。以下に、一般的なLinuxディストリビューションでのインストール方法を示します。
Ubuntu/Debianの場合: curl -fsSL https://mackerel.io/file/script/setup-all-apt-v2.sh | CentOS/Amazon Linuxの場合: curl -fsSL https://mackerel.io/file/script/setup-all-yum-v2.sh | sh 詳細なインストール手順や他のOSについては、公式ドキュメント(https://mackerel.io/ja/docs/entry/howto/install-agent)を参照してください。
エージェントの設定
APIキーの設定: Mackerelエージェントが正しく動作するためには、APIキーを設定する必要があります。MackerelダッシュボードでAPIキーを生成し、エージェントの設定ファイルに追加します。
MackerelダッシュボードでAPIキーを生成: Mackerelダッシュボードにログインし、右上のアイコンをクリックして「設定」を選択します。 左側のメニューから「APIキー」をクリックし、画面右上の「APIキーを発行」ボタンをクリックします。 APIキーの用途を説明するメモを入力し、「発行」ボタンをクリックします。生成されたAPIキーをコピーしておきます。
エージェントの設定ファイルにAPIキーを追加: 生成されたAPIキーをMackerelエージェントの設定ファイルに追加します。設定ファイルは、一般的に/etc/mackerel-agent/mackerel-agent.confにあります。 vi エディタでmackarelの設定ファイルを編集します。 vi /etc/mackarel/mackarel.conf 以下のようにapikeyの値を更新してください。 apikey = "your-api-key"
Mackerelエージェントの起動と自動起動の設定: Mackerelエージェントを起動し、OSの起動時に自動的にエージェントが起動するように設定します。
Ubuntu/Debianの場合: sudo systemctl enable mackerel-agent sudo systemctl start mackerel-agent CentOS/Amazon Linuxの場合: sudo chkconfig mackerel-agent on sudo service mackerel-agent start
エージェントの動作確認: Mackerelエージェントが正常に動作しているか確認します。
メトリクス項目について
Mackerelエージェントの初期設定で監視できる項目一覧
Mackerelでは、多くのデフォルトのメトリクスが提供されており、追加の設定なしで監視できます。また、カスタムメトリクスを使用して、独自の監視項目を設定することも可能です。 以下に、主要なデフォルトメトリクスとカスタムメトリクスについて説明します。
デフォルトで監視可能なメトリクス:
以下は、Mackerelがデフォルトで提供する主要なメトリクス項目です。
- CPU使用率: プロセッサの使用率をパーセンテージで表示します。
- メモリ使用量: 使用中のメモリ量と空きメモリ量を表示します。
- ディスク使用量: ディスクの使用量と空き容量を表示します。
- ネットワーク帯域: 送信および受信データ量を表示します。
- ロードアベレージ: システムの負荷を示す指標で、一定時間内の実行待ちプロセス数の平均値を表示します。
これらのメトリクスは、Mackerelエージェントが自動的に収集し、ダッシュボードで表示されます。
カスタムメトリクス:
Mackerelでは、カスタムメトリクスを使用して、特定のアプリケーションやサービスの監視を行うことができます。これには、独自のスクリプトやプラグインを作成して、Mackerelエージェントに組み込む必要があります。 以下は、カスタムメトリクスで監視できる主要な項目の例です。
データベースのクエリ応答時間: データベースへのクエリ処理時間を監視し、パフォーマンスの問題を検出します。
キャッシュヒット率: キャッシュシステムの効率を示す指標で、キャッシュヒット数とキャッシュミス数から算出されます。
アプリケーションのエラーレート: アプリケーションで発生するエラーの割合を監視し、問題を検出します。 カスタムメトリクスを設定する方法は以下の通りです。 独自の監視スクリプトやプラグインを作成します。
Mackerelエージェントの設定ファイル(mackerel-agent.conf)に、作成したスクプトやプラグインを追加し、必要な設定を行います。
Mackerelエージェントを再起動して、新しい設定を適用します。
以上の手順により、カスタムメトリクスがMackerelダッシュボードに表示されるようになります。さらに、カスタムメトリクスに対してアラート条件を設定し、監視の効果を向上させることができます。
まとめると、Mackerelではデフォルトで提供されるメトリクスに加えて、カスタムメトリクスを利用して独自の監視項目を設定できます。これにより、システム全体の状態をより正確に把握し、問題が発生した際に迅速に対応することができます。
CPU使用率を監視し、サーバ負荷をかけてみる
まずはサーバーのCPU使用率を監視し、過負荷の状態を検知します。
設定ファイルにcpu使用率を監視する設定を記入します。 続いてダッシュボードを確認します。 これでcpu使用率を監視できています。
次に、CPUに負荷をかけるコマンドについて説明します。 stressというツールを使用することで、簡単にCPUに負荷をかけることができます。 まず、stressをインストールしましょう。
$ sudo yum install -y stress その後、以下のコマンドを実行してCPUに負荷をかけます。 この例では、4つのCPUワーカースレッドを60秒間実行します。
$ stress --cpu 4 --timeout 60 このコマンドを実行すると、CPU使用率が上昇し、Mackerelのダッシュボードでその変化が確認できます。 監視設定にアラートが設定されている場合、CPU使用率が閾値を超えると、通知が送信されます。
メモリ使用率を監視し、サーバ負荷をかけてみる
続いてはサーバーの物理メモリおよび仮想メモリ(スワップ)の使用量を監視します。
この例では、256MBのメモリを確保し、それを1つのワーカーが60秒間アクセスします。 bash Copy code $ stress --vm 1 --vm-bytes 256M --timeout 60
ディスク使用量を監視し、サーバ負荷をかけてみる
続いてはサーバーの空き容量や使用率を監視し、容量不足を検知します。
ディスク使用量に負荷をかけるには、大きなファイルを生成してディスク容量を消費させる方法があります。 ddコマンドを使用して、ディスク上に大きなダミーファイルを作成することができます。 以下のコマンドを実行して、1GBのダミーファイルを作成します。 $ dd if=/dev/zero of=dummy_file bs=1M count=1024
このコマンドの説明: if=/dev/zero: 入力ファイルとして/dev/zeroを指定。 これは、無限にゼロバイトが続くデバイスファイルです。 of=dummy_file: 出力ファイルとしてdummy_fileを指定。 このファイルにデータが書き込まれます。 bs=1M: ブロックサイズを1MBに設定。
これにより、一度に1MBのデータが読み込まれます。 count=1024: 1024回繰り返すことで、1MBのブロックを1024回書き込み、合計1GBのファイルが作成されます。 このコマンドを実行すると、ディスク使用量が増加し、Mackerelのダッシュボードでその変化が確認できます。監視設定にアラートが設定されている場合、ディスク使用量が閾値を超えると、通知が送信されます。 負荷テストが終了したら、以下のコマンドでダミーファイルを削除してディスク容量を解放できます。 $ rm dummy_file
Mackerelでアラートを設定する
アラート条件の設定:
Mackerelでは、監視対象のサーバーやサービスに対してアラート条件を設定することができます。 アラート条件は、メトリクスの値が閾値を超えた場合や、監視対象がダウンしている場合など、さまざまな条件を設定できます。
- アラート条件の設定手順: Mackerelダッシュボードにログインし、左側のメニューから「アラート」をクリックします。 画面右上の「新しい監視ルールを作成」ボタンをクリックします。
監視対象のサーバーやサービスを選択し、アラート条件を設定します。 条件の種類や閾値、期間などを指定できます。 設定内容を確認し、「作成」ボタンをクリックしてアラート条件を保存します。
通知方法の設定:
Mackerelでは、アラートが発生した際に、メールやSlack、Webhookなど様々な方法で通知を受け取ることができます。通知方法はチャネルとして設定し、監視ルールと紐付けます。
- 通知方法の設定手順: Mackerelダッシュボードにログインし、右上のアイコンをクリックして「設定」を選択します。 左側のメニューから「通知設定」をクリックし、画面右上の「チャネルを作成」ボタンをクリックします。
通知方法を選択し、必要な情報を入力します。例えば、Slack通知の場合、Webhook URLを入力します。 設定内容を確認し、「作成」ボタンをクリックして通知方法を保存します。
通知方法とアラート条件の紐付け:
作成した通知方法をアラート条件に紐付けることで、アラートが発生した際に指定した方法で通知を受け取ることができます。
- 通知方法とアラート条件の紐付け手順: Mackerelダッシュボードにログインし、左側のメニューから「アラート」をクリックします。 編集したい監視ルールの右側にある「...」をクリックし、「編集」を選択します。 「通知設定」のセクションで、作成した通知チャネルを選択します。
設定内容を確認し、「更新」ボタンをクリックして通知方法とアラート条件の紐付けを保存します。
- 解除条件の設定: Mackerelでは、アラートが発生した後、特定の条件が満たされた場合にアラートを自動的に解除することができます。解除条件は、メトリクスの値が閾値を下回る場合や、サーバーが復帰した場合などがあります。
解除条件の設定手順:
Mackerelダッシュボードにログインし、左側のメニューから「アラート」をクリックします。 編集したい監視ルールの右側にある「...」をクリックし、「編集」を選択します。
アラート条件の設定セクションにある「解除条件」を選択し、解除条件を設定します。例えば、CPU使用率が閾値を超えた場合にアラートが発生し、CPU使用率が閾値を下回った場合にアラートが自動的に解除されるように設定できます。
設定内容を確認し、「更新」ボタンをクリックして解除条件を保存します。 これらの手順により、アラート条件の設定、通知方法、解除条件をMackerelで設定できます。
グラフの種類とデータ取得方法:
Mackerelでは、さまざまなグラフを作成して、システムのメトリクスを視覚化することができます。グラフには、CPU使用率、メモリ使用量、ディスク使用量、ネットワーク帯域など、システムの状態を示す様々なメトリクスが含まれます。これらのデータは、Mackerelエージェントによって収集され、Mackerelのダッシュボードで表示されます。 データ取得方法: Mackerelダッシュボードにログインします。 左側のメニューから「ホスト」をクリックし、監視対象のホストを選択します。 ホストの詳細ページで、取得したいメトリクスに関連するグラフを見つけます。
表示範囲とスタイル:
Mackerelでは、グラフの表示範囲やスタイルをカスタマイズして、データをわかりやすく表示することができます。 表示範囲の設定手順: ダッシュボードのグラフ上部にある「期間」ドロップダウンメニューをクリックします。 表示したい期間を選択します。例えば、直近1時間、直近24時間、直近1週間などのオプションがあります。 グラフスタイルの設定手順: ダッシュボードのグラフ上部にある「表示」ドロップダウンメニューをクリックします。 グラフのスタイルを選択します。例えば、折れ線グラフ、棒グラフ、エリアグラフなどのオプションがあります。 これらの手順により、Mackerelでグラフの種類とデータ取得方法を設定し、表示範囲とスタイルをカスタマイズできます。適切なグラフを作成することで、システムの状態を把握しやすくなり、問題が発生した際に迅速に対処できるようになります。
Mackerelでカスタム監視を行う方法
監視スクリプトの作成 監視スクリプトの作成 カスタム監視のためには、独自の監視スクリプトを作成する必要があります。スクリプトは、監視対象のシステムやサービスから情報を収集し、Mackerelが解釈できる形式に整形して出力します。監視スクリプトは、Python、Ruby、Goなどの言語で書くことができます。以下にPythonでの簡単な例を示します。
import requests import json
response = requests.get('https://example.com/api/v1/metrics') data = response.json()
metrics = []
for item in data['items']: metrics.append({ 'name': 'custom.' + item['name'], 'time': item['timestamp'], 'value': item['value'] }) print(json.dumps(metrics))
上記のスクリプトは、APIからメトリクスを取得し、Mackerelが解釈できる形式に整形して出力します。このスクリプトを実行し、出力結果をMackerelエージェントに渡すことで、カスタム監視を実現します。
結果の解釈とアラート設定
監視スクリプトから取得したメトリクスは、Mackerelダッシュボードで確認できます。ダッシュボードでは、取得したメトリクスをグラフ化し、トレンドや異常値を視覚的に把握することができます。
アラート設定を行うには、Mackerelの「アラート」ページから「新しいアラートルールを作成」ボタンをクリックします。 アラートルールの設定画面で、対象のメトリクス名、アラート条件(例:閾値を超えた場合)、通知方法(例:メール、Slack)などを指定し、アラートルールを保存します。
これにより、カスタム監視で取得したメトリクスに対して、アラートが発生した際に指定した通知方法で通知を受け取ることができます。アラート設定により、システムやサービスの異常状態に迅速に対応することが可能になります。
外部サービスとの連携方法
Mackerel APIを利用することで、外部サービスとMackerelを連携させることができます。 APIを用いて、メトリクスの取得やアラートの管理、サービスやホストの情報を操作することが可能です。
まずは、MackerelのAPIキーを取得しておきましょう。 ダッシュボードの「設定」ページから、「APIキー」タブを選択し、「新しいAPIキーを発行」ボタンをクリックします。 外部サービスと連携するためには、各サービスのAPIとMackerel APIを組み合わせて使用します。 以下に、PythonでMackerel APIを利用してメトリクスを取得する例を示します。
import requests api_key = 'your_api_key' url = 'https://api.mackerelio.com/api/v0/services/your_service_name/metrics' headers = {'X-Api-Key': api_key} params = { 'name': 'custom.metric.name', 'from': 'start_timestamp', 'to': 'end_timestamp' } response = requests.get(url, headers=headers, params=params) print(response.json())
このように、Mackerel APIを利用して外部サービスとの連携を実現できます。
監視データ取得やアラート管理
Mackerel APIを使って、監視データの取得やアラートの管理ができます。 以下に、それぞれの操作例を示します。 監視データ取得: メトリクスを取得するには、上記の例で示したように、GET /api/v0/services/:serviceName/metrics エンドポイントを使用します。from および to パラメータを指定して、取得する期間を設定できます。 アラート管理: アラートを取得するには、GET /api/v0/alerts エンドポイントを使用します。このエンドポイントを使用して、現在のアラート情報を一覧で取得できます。 アラートを解除するには、POST /api/v0/alerts/:alertId/close エンドポイントを使用します。このエンドポイントを使用して、指定したアラートIDのアラートを解除できます。 これらのAPIを活用することで、監視データの取得やアラート管理を柔軟に行うことができます。 外部サービスとの連携により、より効果的な監視体制を構築することができます。 例えば、チャットツール(SlackやMicrosoft Teamsなど)と連携して、アラートが発生した際にチャットルームに通知を送ることができます。このような連携を実現するためには、チャットツールのAPIを利用して、Mackerel APIから取得したアラート情報を送信します。 Slackとの連携を行うPythonのサンプルコードは以下のようになります。
import requests # Mackerel APIからアラート情報を取得 mackerel_api_key = 'your_mackerel_api_key' mackerel_url = 'https://api.mackerelio.com/api/v0/alerts' mackerel_headers = {'X-Api-Key': mackerel_api_key} mackerel_response = requests.get(mackerel_url, headers=mackerel_headers) alerts = mackerel_response.json() # Slack APIを使ってアラート情報を送信 slack_api_key = 'your_slack_api_key' slack_url = 'https://slack.com/api/chat.postMessage' slack_headers = {'Authorization': f'Bearer {slack_api_key}'} slack_channel = '#your_slack_channel' for alert in alerts: message = f"アラート: {alert['message']} (ホスト名: {alert['host']['name']})" payload = { 'channel': slack_channel, 'text': message } slack_response = requests.post(slack_url, headers=slack_headers, json=payload)
このように、Mackerel APIを活用して監視データを取得し、アラート管理を行うことで、システム管理者が迅速かつ効果的に問題に対処できるようになります。
さらに、様々な外部サービスとの連携により、Mackerelの監視機能を最大限活用することが可能です。
監視データ分析とグラフ活用するための見直し
Mackerelを活用してサービス最適化を行うためには、まず監視データを分析し、適切なグラフを活用することが重要です。
(1) メトリクスの選択と分析 最適化に役立つメトリクスを選択し、データを分析します。例えば、CPU使用率、メモリ使用率、ディスク使用率、ネットワーク帯域使用率など、パフォーマンスに関連するメトリクスが重要です。
(2) グラフの活用 選択したメトリクスをグラフ化し、傾向や異常値を確認します。Mackerelでは、複数のメトリクスを重ねて表示することができます。これにより、異なるメトリクス間の相関関係を視覚的に把握しやすくなります。
(3) パフォーマンス最適化 分析結果をもとに、リソースの割り当てや設定変更など、サービスのパフォーマンスを最適化します。 例えば、CPU使用率が高い場合は、プロセスの最適化やリソースの追加、負荷分散を検討します。
カスタム監視設定 Mackerelでは、標準的なメトリクス以外にも、独自のメトリクスを監視することができます。これにより、サービス最適化に特化した監視を実現することができます。
(1) 監視スクリプトの作成 カスタム監視を行うためには、監視対象となる独自メトリクスを収集するスクリプトを作成します。スクリプトは、各種プログラミング言語で記述することができます。
(2) Mackerelエージェントへの組み込み 作成した監視スクリプトを、Mackerelエージェントに組み込みます。エージェントの設定ファイル(mackerel-agent.conf)を編集し、監視スクリプトのパスと実行間隔を指定します。
(3) アラート設定 カスタムメトリクスに対してアラート条件を設定し、異常値が検出された際に通知を受け取るようにします。
(4) カスタムメトリクスの分析と最適化 カスタムメトリクスを分析し、サービスの最適化に活用します。例えば、特定のAPIリクエスト数が増加した場合、キャッシュの導入やレスポンス最適化を検討します。
(5) 最適化効果の確認と改善 最適化を実施した後、Mackerelのグラフやアラート履歴を確認して効果を評価します。 効果が不十分な場合は、さらなる最適化や設定変更を行い、サービスの品質を向上させます。 以上の手順で、Mackerelを活用してサービス最適化を行うことができます。 監視データの分析やカスタム監視の設定を通じて、サービスのパフォーマンスや効率を向上させることが可能です。 このプロセスを繰り返すことで、サービス品質の継続的な改善を実現できます。
Mackerelプラグインを利用した監視の強化
Mackerelは柔軟な監視を実現するために、さまざまなプラグインを提供しています。 プラグインを利用することで、Mackerelの機能を拡張し、 カスタマイズした監視を実現することができます。ここでは、Mackerelプラグインを利用した監視の強化方法について説明します。
Mackerelプラグインの種類
Mackerelプラグインには、主に以下の2つの種類があります。
プラグインのインストール方法
Mackerelプラグインは、GitHubリポジトリからダウンロードし、対象のサーバーにインストールすることができます。 また、一部のプラグインは、Mackerelエージェントに標準で含まれているため、インストール作業が不要です。 インストール方法は、各プラグインのドキュメントに従って進めてください。
プラグインの設定方法 プラグインをインストールしたら、Mackerelエージェントの設定ファイル(mackerel-agent.conf)に、プラグインの設定を追加します。設定内容は、各プラグインのドキュメントに従って記述してください。
例えば、MySQLのメトリックを収集するプラグイン(mackerel-plugin-mysql)を設定する場合、以下のように設定ファイルに追記します。
[plugin.metrics.mysql] command = "/path/to/mackerel-plugin-mysql -user=
プラグインの活用例
Mackerelプラグインを活用することで、以下のような監視の強化が可能です。
データベース監視: MySQLやPostgreSQLなどのデータベースのメトリックを収集し、パフォーマンスやリソース使用状況を監視することができます。
キュー監視: RabbitMQやAmazon SQSなどのキューサービスのメトリックを収集し、キューの長さやメッセージの処理速度を監視することができます。
キャッシュ監視: RedisやMemcachedなどのキャッシュサーバーのメトリックを収集し、キャッシュのヒット率や使用量を監視することができます。
ウェブサーバー監視: NginxやApacheなどのウェブサーバーのメトリックを収集し、リクエスト数やレスポンス時間を監視することができます。
カスタムプラグインの作成
Mackerelでは、独自のプラグインを作成することも可能です。カスタムプラグインを作成することで、特定のアプリケーションや環境に対応した監視が実現できます。プラグインの作成方法は、Mackerelのドキュメントに従って進めてください。
Mackerelプラグインを利用して収集したメトリックは、ダッシュボードで表示することができます。カスタムダッシュボードを作成して、重要なメトリックを一元的に表示し、監視の効率化を図ることができます。
プラグインとアラートの連携
Mackerelプラグインで収集したメトリックに対して、アラート設定を行うことができます。閾値を設定して、問題が発生した際に通知を受け取ることができます。
プラグインのメンテナンスとアップデート
Mackerelプラグインは、定期的にメンテナンスやアップデートが行われることがあります。
最新のプラグインを利用することで、新しい機能やパフォーマンスの改善が得られます。 プラグインのアップデート方法は、各プラグインのドキュメントに従って進めてください。
MackerelとKubernetesの連携手順
Kubernetes(k8s)は、コンテナオーケストレーションプラットフォームであり、アプリケーションのスケーリングやローリングアップデート、セルフヒーリングなどの機能を提供しています。
Mackerelは、サーバー監視およびアプリケーションパフォーマンスモニタリングツールであり、Kubernetesクラスターと連携することで、リソース使用状況やアプリケーションのパフォーマンスを効果的に監視できます。 以下では、MackerelとKubernetesの連携手順について説明します。
Mackerelエージェントのインストールと設定
まず、Kubernetesクラスター内のすべてのノードにMackerelエージェントをインストールする必要があります。 Mackerelエージェントは、ノードのリソース使用状況やカスタムメトリックを収集し、Mackerelサーバーに送信します。
Mackerelエージェントは、公式のDockerイメージが提供されているため、KubernetesのDaemonSetリソースを使用してインストールできます。 まず、以下のようなマニフェストファイル(mackerel-agent.yaml)を作成します。
apiVersion: apps/v1 kind: DaemonSet metadata: name: mackerel-agent spec: selector: matchLabels: app: mackerel-agent template: metadata: labels: app: mackerel-agent spec: containers: - name: mackerel-agent image: mackerel/mackerel-agent:latest env: - name: MACKEREL_APIKEY valueFrom: secretKeyRef: name: mackerel-agent-apikey key: apikey volumeMounts: - name: mackerel-agent-conf mountPath: /etc/mackerel-agent - name: host-root mountPath: /host readOnly: true volumes: - name: mackerel-agent-conf configMap: name: mackerel-agent-conf - name: host-root hostPath: path: /
このマニフェストファイルでは、MackerelエージェントのAPIキーをKubernetesのSecretリソースから取得して環境変数に設定しています。
次に、MackerelのAPIキーを含むSecretリソースと、Mackerelエージェントの設定ファイルを提供するConfigMapリソースを作成します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: mackerel-agent-apikey type: Opaque data: apikey: <your_base64_encoded_api_key> — apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: mackerel-agent-conf data: mackerel-agent.conf: | pidfile = "/var/run/mackerel-agent.pid" root = "/host" [host_status] on_start = "working" on_stop = "poweroff"
この設定ファイルでは、MackerelエージェントのプロセスIDファイルのパス、ホストのルートディレクトリへのマウントポイント、およびホストステータスの変更設定を定義しています。
マニフェストの適用
作成したマニフェストファイルを使用して、MackerelエージェントのDaemonSet、Secret、およびConfigMapリソースをKubernetesクラスターに適用します。 次のコマンドを実行してマニフェストを適用します。
kubectl apply -f mackerel-agent.yaml
MackerelとKubernetesの連携確認
Mackerelエージェントが正常にインストールされ、KubernetesクラスターのノードがMackerelに登録されていることを確認します。 Mackerelのダッシュボードでホスト一覧を表示し、Kubernetesクラスターのノードがリストされていることを確認できます。
Mackerelによる監視の設定
Mackerelで監視対象のメトリックやアラートの閾値を設定して、監視を始めます。Mackerelでは、サービスやロールを使用して、監視対象のホストをグループ化し、メトリックの収集やアラートの設定を効率的に管理できます。
Mackerelプラグインの利用
Kubernetesクラスターの監視をさらに強化するために、Mackerelプラグインを利用できます。
例えば、mackerel-plugin-kubernetes
を使用して、KubernetesのAPIサーバーから取得できるメトリックを収集し、Mackerelに送信できます。
プラグインを利用するためには、Mackerelエージェントのコンテナに追加の設定を行い、マニフェストファイルを更新する必要があります。
MackerelとAWS CloudFormationの連携手順
AWS CloudFormationは、インフラストラクチャーをコードとして管理し、AWSリソースを自動的にプロビジョニングするためのサービスです。 Mackerelは、サーバー監視およびアプリケーションパフォーマンスモニタリングツールであり、AWS CloudFormationと連携することで、インフラストラクチャーの監視を効果的に行うことができます。以下では、MackerelとAWS CloudFormationの連携手順について説明します。
Mackerelエージェントのインストールと設定
まず、AWS CloudFormationを使用して、Mackerelエージェントをインストールするためのテンプレートを作成する必要があります。 このテンプレートでは、MackerelエージェントがインストールされるEC2インスタンスの設定や、Mackerelエージェントの設定ファイルが含まれます。以下に、Mackerelエージェントをインストールするための簡単なAWS CloudFormationテンプレートの例を示します。
Resources: MackerelAgentInstance: Type: AWS::EC2::Instance Properties: ImageId: <AMI_ID> InstanceType: t2.micro KeyName: <Your_Key_Name> UserData: Fn::Base64: !Sub | #!/bin/bash echo "deb [arch=amd64] http://mackerel.io/deb/ $(lsb_release -cs) main" > /etc/apt/sources.list.d/mackerel.list apt-get -y install apt-transport-https apt-get -y update apt-get -y install mackerel-agent echo "apikey: ${MackerelApiKey}" > /etc/mackerel-agent/mackerel-agent.conf systemctl enable mackerel-agent systemctl start mackerel-agent
このテンプレートでは、ユーザーデータを使用して、EC2インスタンスの起動時にMackerelエージェントをインストールするスクリプトが実行されます。 また、MackerelのAPIキーを環境変数から取得して、Mackerelエージェントの設定ファイルに設定しています。
AWS CloudFormationスタックの作成
作成したテンプレートを使用して、AWS CloudFormationスタックを作成します。 次のAWS CLIコマンドを実行して、スタックを作成できます。
aws cloudformation create-stack --stack-name MackerelAgentStack --template-body file://mackerel-agent.yaml --parameters ParameterKey=MackerelApiKey,ParameterValue=<Your_Mackerel_Api_Key>
このコマンドでは、テンプレートファイルのパスと、MackerelのAPIキーをパラメータとして指定しています。
MackerelとAWS CloudFormationの連携確認
AWS CloudFormationスタックが正常に作成され、MackerelエージェントがインストールされたEC2インスタンスが起動されたことを確認します。
Mackerelのダッシュボードでホスト一覧を表示し、新しく作成されたEC2インスタンスがリストされていることを確認できます。
Mackerelによる監視の設定
Mackerelで監視対象のメトリックやアラートの閾値を設定して、監視を始めます。Mackerelでは、サービスやロールを使用して、監視対象のホストをグループ化し、メトリックの収集やアラートの設定を効率的に管理できます。
Mackerelプラグインの利用
AWS CloudFormationでプロビジョニングされたインフラストラクチャの監視をさらに強化するために、Mackerelプラグインを利用できます。 例えば、mackerel-plugin-aws-ec2を使用して、EC2インスタンスのCPU使用率やネットワーク帯域使用率などのメトリックを収集し、Mackerelに送信できます。 プラグインを利用するためには、Mackerelエージェントの設定ファイルに追加の設定を行い、AWS CloudFormationテンプレートを更新する必要があります。
まとめ
MackerelとAWS CloudFormationを連携させることで、インフラストラクチャーの監視を効果的に行うことができます。 AWS CloudFormationを使用してMackerelエージェントをインストールし、メトリックの収集やアラートの設定を行うことで、インフラストラクチャーの監視を効率的に行えます。 また、Mackerelプラグインを利用することで、AWSリソースの詳細なメトリックを収集し、監視の精度をさらに向上させることができます。
Mackerelを使ったサーバーレスアプリケーション監視方法
サーバーレスアプリケーションは、従来のサーバーベースのアプリケーションとは異なり、インフラストラクチャの管理が不要で、コードの実行に必要なリソースが自動的に割り当てられるため、開発者はアプリケーションの実装に集中できます。 ここでは、Mackerelを使ったサーバーレスアプリケーション監視方法について説明します。
Mackerelのセットアップと設定
最初に、Mackerelのアカウントを作成し、APIキーを取得してください。次に、Mackerelのエージェントをインストールし、設定ファイル(mackerel-agent.conf)を編集して、APIキーを設定します。また、監視対象のサービスやロールを設定ファイルに記述します。
サーバーレスアプリケーションの環境構築
AWS LambdaやGoogle Cloud Functionsなどのサーバーレスプラットフォームを使用して、アプリケーションの環境を構築します。これらのプラットフォームでは、関数を作成し、トリガーを設定して、イベントに応じて関数が自動的に実行されるようにします。
Mackerelとサーバーレスプラットフォームの統合
サーバーレスプラットフォームとMackerelを統合するために、Mackerelのライブラリを関数にインポートし、関数内でMackerelのAPIを使用して監視データを送信します。例えば、AWS Lambdaの場合、Mackerelのnpmパッケージをインストールし、関数コードでMackerelクライアントをインスタンス化して、カスタムメトリックを送信することができます。
サーバーレスアプリケーションの監視項目
サーバーレスアプリケーションの監視には、以下のような項目が考えられます。
関数の実行回数: アプリケーションの利用状況を把握するために、関数がどれだけ実行されているかを監視します。
関数の実行時間: 関数のパフォーマンスを評価するために、各関数の実行時間を監視します。
エラー率: アプリケーションの安定性を確認するために、関数のエラー発生率を監視します。
メモリ使用量: 関数のリソース使用状況を把握するために、メモリ使用量を監視します。
ダッシュボードとアラート設定
Mackerelでは、ダッシュボードをカスタマイズして、サーバーレスアプリケーションの監視データを一元的に表示できます。 また、アラート設定を行うことで、閾値を超えた際に通知を受け取ることができます。
ログ監視
サーバーレスアプリケーションのログを分析することで、エラーやパフォーマンスの問題を特定し、解決策を見つけることができます。Mackerelでは、ログ監視機能を利用して、特定のキーワードやパターンを検出し、アラートを設定することができます。
分散トレーシング
サーバーレスアプリケーションは、マイクロサービスアーキテクチャを採用することが多いため、分散トレーシングが重要です。 Mackerelでは、分散トレーシング機能を利用して、リクエストがシステムを通過する際の遅延やエラーを追跡し、問題を特定できます。
アプリケーションの最適化 Mackerelを使用して監視データを収集し、分析することで、アプリケーションの最適化が可能です。例えば、関数の実行時間が長い場合は、コードの最適化やリソース割り当ての調整を行うことで、パフォーマンスを向上させることができます。